遭遇

この日曜は終日雨であった。


ここ何日かで寒さもぐっと押してきた。


そんな中、世田谷美術館に足を運ぶ。
現在開催中の「ルソーとその仲間たち展」(展名は結構いい加減)を見てきた。
ルソーを始祖としてその世界に影響を受けてきた画家達の名作が展示されている。
大変素晴らしい展覧会であった。今年見た中でも屈指だと思う。



その中でも、特に岡鹿之助の絵が好きで、どっぷり見入っていたのだが、ふと横を見るとどこかで見た記憶のある顔が。


...........!!!!!


なんと宮崎駿監督であった。
これには本当に驚いた。腰につけたバッグにはジブリキャラクターが印刷されていたから間違いはないだろう。
大体絵を見ている人というものは周りに誰がいるかなど全く気にはしていない。
今回気が付いたのもまさに振り返りざま、真横にいたからにほかならない。


なんだか心がかき乱されて絵どころではなくなってしまった。


しばらく呆然とその背中を見ていた。


一人で来ていたようだ。


松本竣介の絵に見入っていた。


一ファンです!などという品のないことは言いたくもなかったが、せめてこの中でどの絵に興味があるのかを聞きたかった。


ひととおり絵を見た後はどっしりと椅子に座り会場の様子を眺めていた。


東京だなあ。と思った。□