さらば、京橋

今週末で京橋の現オフィスを引き払い、次週から品川の新オフィスに移る。


最終日の今日、オフィスは朝から梱包やら何やらで大騒ぎであった。
夕方にはその騒ぎも一区切り付き、別れを惜しみつつ新転地への希望を燃やし、全員で簡単な乾杯を行った。


個人的な心残りといえば、銀座〜日本橋に挟まれた、まさに東京の中心といわれるこの恵まれたエリアでの昼食が食べられなくなる。という点であろう。
勿論、新天地・品川にもいろいろなお店はあるのだろう。が、銀座・日本橋に比べればその差は天と地である。
これだけ恵まれたエリアにオフィスを構えて働くことなど、もはや今後一切あるまい。


そんなわけで、最後くらいは最大級の贅沢ランチを食べよう。という提案があった。
具体的には、日本橋マンダリンオリエンタルホテル38Fのレストランで最後の贅沢なランチを頂こう、という案である。
一泊60,000円〜?という高級ホテルらしい。
このようなセレブな場所に来るのは友人・知人の披露宴以来である。そんな高級感すら忘れかけていた我々小市民の目の前に現れたのは、上品な芋のスープや魚料理、肉料理が満載のプレートランチであった。
東京の一等地の全域を見下ろしながらいただく極上ランチに舌鼓を打つ。


更に、料理もさることながら、噂に名高い当ホテルのトイレにも驚かされた。


左右を鏡で覆った、8畳ほどの大理石の部屋である。
前面は全面ガラス張りで、遥かかなたまで東京を一望することができる。
そんな大展望を前に、たった3つの小便器がしつらえてある。
東京の大都会をはるか眼下に見据え、まるで世界征服したお殿様にでもなったような錯覚すらおぼえつつ、堂々と用を足す。世の中にはこんな世界もあるのか。



たかがランチ、されどランチ。


京橋オフィスのフィナーレを飾ったこのインパクトを自分はきっと忘れまい。
......さらば、京橋。□