目に見えないものが映像や言葉の断片から伝わってくる。
それが作り手の狙いどおりの「テーマ」であれば、彼らの勝ちだと思う。
「ラスト、コーション」はまさに勝ちの映画だ。
美しい映像と限りなく少ない言葉で「情」が描かれている。
特に言葉よりも「語る視線」がエロかったと思う。
お互いを探りあう視線。からみあう視線。そらされる視線。そして沈黙.....。
それだけで物語は概ね理解できるほどに感じる。
言葉はそれらの間を補う一つのアクセントに過ぎない。
激しい性描写もその前後での役者の視線の変化を説明するために不可欠だったのだと思う。
「ブロークバック・マウンテン」も見てみなくては。□