怪談グランプリ2022を観て、感じたこと2点。
① 「映像」を言葉で語ろうとしている
もともと映画などで映像化されている作品を、
怪談として、表現しなおした、語りなおした。
という印象のものがあった。
YoutubeやSNS等、表現手段が林立する現代で、
怪談という表現にも影響が出ているのかもしれない。
でも、映像で表現されているのなら映像で充分だと思う。
「怪談」は「怪談」という手段でしか表現しえないものをやってほしい。
言葉で語る以外の表現手段がない、という怪談を聞きたいと思うのです。
一龍斎貞水師匠がやっていたのが、真の怪談のひとつだと今、思う。
あるいは「ねえちょっときいてよ」と友人が軽い言葉で聞かせてくる
なにげないけど想像力に刺さってくる話が怪談のひとつだとも思う。
② 「決め台詞」はもっと怖く!
淡々と物語を語り進めて、怖さが増幅されていくところまでは上手いのだけど、
決め台詞も淡々と言っていて、あまり効果が出ていないと思うところがあった。
ジェットコースターがゆっくりと頂上まであがりきって、さあ、落ちる!という
あの瞬間、落ちずにまた昇りだした。というような感じで勿体ないなと。
例えば、
「玄関をノックする音がするんです。
玄関に行ってみると、すりガラスの向こうに女の影が見えるんです。
ぼやけていて顔は見えない。でも確かに女で、こういったんです」(ここが頂上)
「開けてええぇぇ」(決め台詞=霊の声)
ここを「開けて」と普通に言っちゃってる感じで。
あるいは言葉としてあまり怖くない言葉を選んでいるというか。
絶対こちらの世界にはいない者が口にする言葉を選んでほしい。
個人的には、ガンジー横須賀。が一番怖かった。チャンピオン対決も含めて。□