ゴールデンカムイ展

 

盆休みにゴールデンカムイ展に訪れたのだけど、超満員で入場ができなかった。

 

まさか...........!

京都文化博物館は人通りの多い三条通りに面してはいるものの、企画としては「通」なファン向けのものが多く、知る人ぞ知る博物館だったので、入場できないという事態は全く想定していなかった。
その日は、午後にのそのそと家を出て、会場に着いた時には、その日に入場できる人数分の券は完売になってしまっていた。

ゴールデンカムイの人気は、これほどまでのものか..........。
なんてことを思い知って、多少この混雑も落ち着いた盆明けのころにでもまた来ようと思っていた。

 

.......のだが。

盆休みも明けてしばらくたった先日、念をいれて開館時間を目指し、早めに会場に向かったのだったが、当日券を手に入れ、入場整理券をもらったときには、3時間待ちになっていた。整理券を求める人たちの行列がとんでもない長さで、目の前で11:00の券終わりました。12:00の券終わりました。13:00の券配布中です。のようなアナウンスがされていった。

 

盆休みは全然関係なかったのである。

いつ行っても大混雑という狂気の展覧会でした。

 

だけど、結論から先に書くと、自分にとって本展はそれほど面白いものではなかった。

キャラクターの紹介や、漫画原稿の展示が中心になっているが、そのあたりは漫画を読んでいればだいたいわかっていることばかりであった。
さらに、漫画原稿はデジタルツールで描かれているために、肉筆の生原稿のような迫力は無くて、こちらも単行本で見れば十分かという印象。

更に、当時のアイヌや軍人の道具がキャラクターが使った道具として展示されているのだが、こちらの量は少なめ。
博物館での展示ということなので、むしろゴールデンカムイという冠は伏せて「アイヌの生活展」というような企画にして、みっちりとアイヌの人たちの生活や道具を展示する企画の方が、入場者が自由に漫画と対比させてみたりもできて面白かったのではないかと思ったのです(実際、おもしろいと感じたのは、ヒグマのはく製の展示だったりした)。

漫画もまだ最終話まで読めていなくて、後半はネタバレも含むようなラストに近い原稿の展示があって、ほとんどスキップした。

グッズ売り場は、刺さる商品が少ないうえに、値段が高すぎる。という印象を受け、何も買うことが無かった。
今回に限らず、漫画展のお土産というものはいつもそんな印象で、描き下ろしのイラストを使ったグッズとか、ファンの視点で絶対ほしい!と思える商品をみたためしがない。
原作の人気にあやかって商品開発に雑さを感じる。「ただ印刷すれば多少高くても売れるだろう」というような意地の悪さがなんとなく見えてしまう。
その点、もともと商業性の低い、絵画展などで売られるグッズは、なんとか買ってもらいたいと、商品開発に知恵を絞っているような苦労の片鱗が見えるような気がして、心から応援をしたくなる。漫画展も人気に寄りかかることなく、一ファンの視点で知恵を絞って面白いグッズをリリースしてもらいたいと切に願う。

ゴールデンカムイという作品の面白さ、すばらしさは身に沁みるほど知っているので、改めて、アイヌ文化に触れられるストレートな博物展示の機会を探して鑑賞してみたいと思っている。□