絵を描くという行為は、なんだろうか。
音楽を奏でるという行為は、なんだろうか。
写真を撮るという行為は、なんだろうか。
ものをつくるという行為は、なんだろうか。
流れるように過ぎ去っていく時間たち。
なんとなく消えていってしまう時間への不安に対抗する手段。
それが、僕にとってのものをつくるという行為かも知れない。
忘れたくないけれど、忘れてしまうことがある。
忘れてほしくないけれど、忘れられてしまうことがある。
覚えておきたいけど、覚えきれないことがある。
そういうあがらえない無力さへの抵抗かもしれない。
何かを形に残すことによって、失われた時間を形に置き換えたのだと自分をはげますことができる。
忘れ去られてしまう自分の、なんらかの証を世界に残せたのだと自分をゆるすことができる。
なんだかきっとそういうプログラムによって僕は動かされているのだとおもっている。□