できるけど、きっともうできない。
そういうことが増えてきたと漠然と思うことがある。
いつか読もうと思い、押し入れの奥にしまった大切な漫画コレクション。
紐解こうと思えば、今すぐにだってできる。
だけどそれ以上に優先度の高いやるべきことが目の前に積み重なっていて、紐解くのは明日以降に回される。
いつかやろうと思って買ったゲーム。
いつか再読しようと思って本棚にならべた文庫本。
いつか勉強しようと思って買った英語の参考書。
いつか見ようと思って録画しためた映画コレクション。
そのいつかは、今日か明日にでもすぐにできそうな、簡単なことなのに、意外にもできず、来週になり、来月になり、来年になり。5年になり、10年たってもできずにいる。
「いつか」は多分、もう来ない。
引っ越しのときに思いきって処分してしまった漫画や映画のDVD。
今になって、捨ててしまったことを後悔したりもするけど、では、残していたとして、見る機会はあったのだろうかと自問すると、多分、ない。
そう思うと、後悔も「しゃーないか」になって消えていくのだ。
やれること、できること。がどんどん変わって来ている。
すべきことも、どんどん複雑になってきている。
きっと、ぼくらはこれまで積んできた経験だけを頼りに、これから登場する新しいコトやモノを実際に動かしたり見たりすることは出来ず、経験からの推測で見極めて、舵をとっていくしかないのだろう。
人生って、短いと観念ではわかっていたつもりだったけど、想像以上に短いよね。□((ここに