今日の一冊

 

インシテミル」 米澤穂信著 文春文庫(7点)

 

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( ※ 注 ネタバレしてます! )

 

淫してみる。

ということからきたタイトル。

いかにも、THEミステリーといったクローズドサークルミステリー。

時給11万円という怪しげなアルバイトに誘われ「暗鬼館」にあつまった12名。

部屋には鍵がついていない。

個人ごとに異なる凶器が1つずつ付与される。

なにもせずに7日間すごしていれば高額なアルバイト料をもらって終わることができるはずだったが、さっくりと一人目の被害者・西野が銃殺で発見される。銃を持っていたのは誰だ?!お互いを淫しながら、真犯人探しの心理戦がはじまる。

次々とあらわれる被害者たち。ボウガンで撃ち抜かれる真木、吊り天井につぶされる箱島、大迫。さらに釜瀬を撃ち殺し、自らも自殺する若菜。

死のゲームの結末は?そして真犯人は!?

 

いかにも人工的な箱庭を感じるクローズドサークルに、キャラクターに、とても冷たい違和感のようなものを感じたが、物語が進み、主人公結城が事件解決に向けて動き出すと、世界が有機的になっていった。

 

12名の持つ武器に最初の被害者・西野を殺害した銃はなかった。
西野は自殺だった。
暗鬼館を巡回するガードという巡回ロボットにわざと発見されて自殺をはかったのだ。
そしてそれをトリガーにして、残されたメンバー間での殺し合いがはじまっていく。

真犯人は関水。10億の賞金獲得を目指し、自らのもつ武器を「毒薬」と偽装して、殺害を続けた。

一人目の被害者が自殺、というトリックはおもしろかった。

キャラクターが12人もいるので、記憶しながら読むのはなかなか大変だ。
だが、トリックは面白かった。

犯罪にからんでいるかと思った怪しげな女子・須和名は、犯人というよりこの狂気のイベントを企画・主催する別世界の存在だった。

映像でみたいと思ったが、既に映像化されているようである。

藤原竜也石原さとみ綾瀬はるかなど。すごいキャストになります。こちらもちゃんとみておきたいなと思います。□

 

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