2022年の同窓会イヴ その3

 

同窓会は「パンドラの函」である。

 

何十年も前の思い出を振り返っていると、
楽しいことばかりではなくて、叱られたり、
喧嘩したり、嫌なこともあったかもしれないが、
それらを含めてみても、
だいたい全てが「良い思い出」になっている。

そんな脳の奥深くに封印していた「良い思い出」をあえて引きずりだして、今確認することが果たしてどういう結果をもたらすのか。

 

「ああ、来てよかった。」

当時のことが全て美しく紐解かれ、みんなも今も元気で、楽しくて、やさしくて、全く色褪せていないことが再確認された。さらに、次の同窓会に向けて、きれいに封印しなおすことができた。

 

「ああ、来なければよかった。」

折角ずっと綺麗に記録されていた過去の大切な思い出が、無惨に引きずり出されて、興ざめしてしまった。自分も仲間たちも老い、ふぬけ、嫌な人間になってしまっていた。あの時の美しかった思い出たちが、見たくもないものに上書きされてしまった。もう次回があっても決して来ないだろう。

 

どちらになるかは、わからない。
どちらでもないのかもしれない。
だけど、どういう転び方であっても、一つの結果をださなくてはいけないような気がしている。そう思い、やはり参加を決めた。

挑戦せずに「挑戦をしたらきっと僕は上手くいっていた」と可能性にしがみついて一生を終えるような生き方をしては、なんだか勿体ないような気がするのである。

そう思い参加をする。さて、どういう結果が待っているのだろうか。□