制作日記 (二人展まであと79日)

 

これまで、

個展会場には作家はいらない。

絵だけがあればいい。

とずっと言ってきた。

 

作品が作家の代わりになって

話してくれる。

それが作家としての理想である。

その考えは今も変わらない。

作家が作品の横について、作品について

あーだこーだと語るのは野暮ったれだし、

作品に代弁させられなかったのは作家の

敗北であるのだと思う。

 

が、どうしたことか、

今は、

会場にいる作家に会って、

「元気?」と話しかける方が重要だと感じている。

勿論作品も観るのだが、

むしろ作品は、作家と話す時の、

触媒やスパイスのようなものくらいに考えている。

 

それはつまり、

作品を作る側としては「作品に語らせる」を目指し、

作品を観る側としては「対話をしたい」のではないか。

 

先日挨拶に行った知人の個展で、作家本人に会って

話をする密度の高さを改めて思い知ったのです。

 

今二人展の準備中で、DM制作をしているのだけど、

DMができたら終わりで、会場には作家だけがいる。

という個展も面白いのではないかと思ったのです。

DMを作っているときが一番面白いと思ったりもしている。□