もやテン2020 3.漫画&アニメ部門

もやテン2020 漫画部門

1.マンガ日本の古典「平家物語」(上・中・下) 横山光輝中央公論新社
2.なし
3.なし
次点 鬼滅の刃

大原の寂光院建礼門院徳子様の御廟をお参りしたことをきっかけに漫画ですが「平家物語」を読みました。横山光輝氏ならではの抜群の構成力であの複雑で長大な物語がとても楽しく、読みやすくなっている。素晴らしい名著でした。
その他は無しで、次点として「鬼滅の刃」を入れました。
社会現象的なブームに乗っかって原作を2冊まで読み、アニメを10話まで観ました。確かにヒットするのもうなずける、少年ジャンプらしい面白さがありました。
世界観は少年漫画なんだけど、幽かに高橋留美子の「人魚の森」にシンクロしました。冒険活劇でなかなかの残酷な描写もありながら、家族を想う炭治郎のやさしさや、小動物のような禰豆子の可愛らしさは、女性作家だからこそ表現できる技量なのかもしれない。社会的なブームにあやかるのではなくて、あくまでも自分のイチオシであれば間違いなくベスト3に入っていたと思います。
とはいえ、最近は漫画雑誌にもアンテナを張ってないし、コロナでタレコミもすっかり絶えてしまっていたので、今年はランクイン無しという結果となりました。

 

もやテン2020アニメ部門

1.劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン
2.さよならの朝に約束の花をかざろう
3.この世界の(さらにいくつもの)片隅に
次点
鬼滅の刃

ランクインしたのは全て劇場公開された長編アニメーションのみとなりました。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン京都アニメーションの復活を象徴する完成度で作品そのものもさることながら、作品を作るというクリエイターの想いや底力のようなものも垣間見えて力を貰ったような気がします。
さよならの朝に~は、タクティクスオウガ吉田明彦氏によるキャラクターと「あの花」の岡田磨里の脚本の、まさにそれぞれの世界観のいいところを絶妙に折衷した素晴らしいドラマでした。作画も素晴らしく楽しく観れました。
この世界の片隅には、いくつかのシーンを追加した再公開で、物語は全て知っていたけど、まるで初めて見るかのような新鮮さがありました。やっぱり何度見ても、すずさんから生きていく強さのようなものを貰います。

次点には「鬼滅の刃」。アニメーションの質が本当に高くて驚きました。アニメーションだからこその表現や演出と、原作の面白さと相乗効果を生み出して幾多あるテレビアニメ作品の中でも屈指といわれるクオリティで完成しています。原作が良いのにアニメーションがかみ合わずこける作品もあるし、原作はそれほどでもないけどアニメーションがすごくて持ちこたえる作品もあるけど、鬼滅の刃はともに良い力が働いたことでこの度の社会現象を生み出したのではないかと思いました。□