目を見ない人

 

相手の目を見ずに話す人がいる。

 

例えば、2人で、ある人間を訪ねて3人で打ち合わせをするような場合。

相手は、どういうわけか、2人いるうちの片方の人間だけをずっと見ていて、もう一方の人間を一瞥すらしない。

そんなことがよくある。

相手は、2人いる人間のどちらが「主人」であるか、「チーフ」であるか、を見抜いて、そちらだけを見て話している。

確かに代表者として話をするのは「主人」や「チーフ」である。だが、3人で話しているのだ。相互の目をみてちゃんと話したらどうだろう。

 

それは、2人で対話している場合にもある。

彼は、ずっと目をそらしてどこか別の方向を見ながら話を続けている。
こちらに話していることは間違いないと思う。
だが、誰に向かって話をしているのだろうかと思う。
相手をじっと見ていると、時折、顔がこちらを向くことがあるが、よく見ると、眼球はこちらを向いておらず、白目をむいていたりする。なんとも気持ちが悪い。そこまでして目を合わせることを避けたいのか。

 

もちろん、苦手とする人間との対話であったり、自分が一方的に攻撃されているような状況では、自分の起こしたミスへの呵責や、窮地に追い詰められているなど、相手の目をみるどころか、頭を上げられないことだってあるかもしれない。

だけど、多くの対話で、それほどまでに追い詰められた状況なんてものはほとんどないと思う。

 

おそらく、ものすごく根の深い対人恐怖症か、コンプレックスのようなものが、彼を支配しているか、はたまた、相手の人間が大嫌いということもあるかもしれない。

 

それでも、人と話すときは、相手の目を見て話すべきだ。と思うのです。

 

此方は貴方に話している。

貴方も此方に話している。

 

ならば、お互い相手の目を見て(別にずっと見つめ続けていろといっているのではないよ)、話しかけたり、相槌を打ったりしてはどうか。それが自然ですよ。

どこか亜空の彼方を見ながら人と話すなんて、むしろ失礼ではないかと思うのです。

多くの人は、黙って許してくれているのかもしれないけど、ただ言葉にしないだけだけど、それを肯定的に見ている人はほとんどいないと思うのです。□