ゴーストオブツシマ その3

 

ゴーストオブツシマ。

 

すごく硬派なんだけど、硬派すぎるからこそ、ちょっとほころんでいる箇所が、爆笑を誘発してきてしまう。

 

改めて、素晴らしいゲームです。

 

もはや、物語とかあまり意識していない。

物語がなくても全然、面白いもん。

ある場所に向かえ。と言われて馬を走らせていたら、偶然、蒙古に支配されている村が見つかったりする。

腰をかがめ、草むらに隠れながら、村の様子をうかがって。

まずは門番をしている蒙古の後ろから忍び寄って、ぐさりと倒す。

屋根の上に登ると、どういう理屈か、蒙古はほとんどこちらに気が付かない。

(もう、このあたりから、爆笑の予感がしている)

屋根の上から、焚火の周りを取り囲んでいる蒙古3,4人に向かって、爆発を起こす矢を打ち込むと「あちゃちゃちゃちゃ!」みたいなパニックになって、蒙古がもがいている。

そこここの建物やら道ばたにいた他の蒙古が「チンハルオッ!」みたいなわけのわからないことを叫びながら、焼けていく仲間を見守りながら、助けることもせずに、ただ、きょろきょろしているのだが、数秒経つと、それぞれしずしずと元の持ち場に戻っていくのである。

 

ここで、爆笑である。

 

蒙古たちよ。それでいいのか?

仲間が目の前で死んでいるんだぞ。

普通、目の前で仲間を倒されたら「どこだっ、どこから撃たれたっ」とか騒然となって、残された全員が物陰に隠れたり、敵が見つかるまで執拗に探すでしょう?

それを「一定時間が過ぎたら持ち場に戻る」というゲーム的な動きで置き換えているところがもう可笑しくて仕方がない。

死んだ仲間の目の前で、のんきに焚火にあたったりしているのである。なんだこいつら?となるでしょう。

 

かつて「ローリングサンダー」というアクションゲームがあった。

ルパン三世のような主人公が、敵のアジトに忍び込んで銃で敵を打倒しながら奥へと進んでいくのだが、敵(いわゆるショッカー)の動きが、マヌケすぎるのである。

主人公が近づいたとき、ショッカーは、繰り返し同じところに爆弾を投げ続けたり、目の前に敵がいるというのに、きょろきょろと索敵をしたりしている。いるだろ、目の前に。と突っ込みをいれるまえに、打倒してしまうこの間抜けさ。

このあたりはプログラマーの腕の見せ所で、敵をよりリアルに、人間らしくつくりこむという、時間と拘りの戦いがあるのだろうけど、最終的には、そこそこそれっぽい動きができたところで、リリースしてしまうのでしょう。

それを遊び手である僕らは、微妙に人間ぽいけど、微妙にコンピュータっぽい動作をする敵たちに失笑してしまうのである。

 

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たぶん、今と言う時代、より一層、ゲームもリアルに近づいていて、ほころびが皆無のようなゲームが出てくるのも時間の問題なのでしょうが。

やっぱり、ゲームなので、ほどほどに、ほころびを残して僕らを笑わせてほしいとも思うのである(もちろん、作り手はほころびを計画して作っているわけではないのだろうけど)。

ゲームの面白さというのは、理屈で作り上げられたものではないと思うのです。

 

バイオハザードの「かゆいうまい」の名言も、まさかここまで多くの人を笑わせてしまうことになるなんて、当時の作り手たちは思ってなかっただろうからね。□