楳図かずお大美術展

 

楳図かずお大美術展、

観てきました。

 

 

 

 

もう、ありきたりのことばしかでてこないのだけど・・・・・。

 

「すごかった・・・!!」

 

齢86歳にして代表作「わたしは真吾」の続編とも言える、101枚の新作ZOKU-SHINGOを完成させるそのパワー。

観る前は、正直なところ「おつかれさまでした」というような、ただただ尊敬が前に出たような気持でいて、作品自体にはあまり期待をしていなかったのですが。

すごかった。

まだまだ描けるじゃん、楳図先生!!という感じでした。

会場にずらりと並んだ新作101枚のカラー原画を、物語を追いながら読んでいくのは、井上雄彦先生の「最後のマンガ展」以来だけど、改めて、美術館という場所で新作マンガを読むということは、なかなか味わえない稀有な楽しい体験だった。

 

1枚1枚が丁寧に構成され、描かれ、色付けされていて、いろいろなところにギミックも入っていて、見ごたえがあった。

後ろから押してくるように迫ってくる隣の客が邪魔に感じるほどであった。もっとゆっくりみせろと(結局2周した)。

さらに着彩前の全生原稿も、現代アーチストとのコラボされた空間の中で味わうことができて、2倍楽しい展覧会だったと思う。

 

唯一、残念だったのが、「図録」だ。

このすばらしい新作101枚(モノクロ入れたら202枚)を、1ページ1枚原寸で完全に収録して、ハードカバーとするくらいにしてもらって、改めてじっくり読みなおせる1冊を期待していたのだけど、1ページ2枚としているところも多く、細部が見えない残念なことになっていた(しかも¥4400と図録にしてはなかなかの高額)。

展示会場の写真やコラボアーチストの作品写真に多くページを割いていたが、そこを削ってでも、先生の作品を最優先で掲載してほしかった。

展覧会の図録って、結構当たりはずれがあって、編集する人もアーチストだったりするから、編集者としての「我」がでたりするんだけど、個人的には、作家やファンのことを最優先にして「我」を抑えてほしいと思うことがよくある。

 

・・・何にせよ、楳図先生の作家としてのポテンシャルは全然衰えていなくて、まだまだやれるということも分かって嬉しかった。

で、そうなるとまた次なる作品を制作してほしいと強く願ってしまうのであった。□