二人で展覧会を開催することによって、
パートナーが持っているものを確認できたこと。
そして自分が持っているものを確認できたこと。が大きい。
我唯足知。なんて名言を持ってきて、
俺は足りてるんだなんて納得させようとしてみても、
どうしても無いものばかりを見てしまったりする。
それでも、やっぱり、自分にも有るんです。
それはパートナーという存在が鏡のようになって、初めて自覚できた。
パートナーの作品やその作品が生まれるに至った背景を聞いてみたり、どういう仲間がいて、どういう環の中で描いているか。を聞いてみたりすると、確かに自分にはない世界に彼は生きていて、自分には無いセンスで、自分にはない人間関係で描いている。
だけど、逆に彼からみた自分も同じで、彼に無いものを自分は持っているのである。
互いに無いものを持っているから、引きあうし、学びになる。それは彼の生き方を学ぶことに加えて、自分を学ぶきっかけにもなる。
例えば、当たり前と思っていた、あることが前提となっていた、画廊での作品発表そのものがそもそも「有難いもの」であったこと。
彼が作品を作るために5000冊もの本を読んでいたとき、僕は1000体の仏像を眺める時間を持っていた。
誰にでも、有るのである。確実に。
自分にあるということをもっと確信して、誇って、感謝するべきだ。
そういうことを強く体で知る事が出来たことは、本当に大きい収穫だったと思う。□