もやテン2023 書籍部門(絵本含む)
1.月夜の森で(絵本)
2.退屈と嘘の倫理学
3.影老日記
4.カササギ殺人事件
5.俺ではない炎上
6.異常
7.栞と嘘の季節
8.街とその不確かな壁
9.鵺の碑
10.方舟
次点
・硝子の塔の殺人
・機嫌のデザイン
・逆転美人
・月の立つ林で
・名探偵のいけにえ
・放浪記
「月夜の森で」が手に入ったことは僥倖だった。
京都の温泉宿で出会った一冊だったが、切り絵という手法で作られた本で増刷が難しい。見つけたときは在庫のほとんどが人の手にわたり、増刷を待つしかなかった。出版社にもリクエストを出したが、たかが一人の要望のために増刷をかけるほどの余裕などあるはずがない。
年の後半は絵本を多く手に取るようになった。世界中の優れた絵本を発掘するという熱意がわき、浴びるように読んできたが、ふと「月夜の森で」を思い出してネットで検索したところ、在庫有り。のショップを見つけた。「嘘だろ」と思いながら発注したら、数日後に、本当に届いた。嘘ではなかった。
同封されたショップからの手紙には「出版社に残されていた3冊を数日前に入荷しました」とあった。奇跡のタイミングである。
今年もいろいろ優れたミステリーに出会ったが、そんなわけで、この奇跡の出会いを含めた「月夜の森で」がベスト書籍となった。
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