「ごはん大盛りも無料で出来ますが?」
定食屋でランチを注文したとき、店員からそんなことを言われることがある。
そんなとき、つい「じゃあ大盛りで」と答えてしまうことがあるが、食べたあとになって、胃もたれをおこして後悔することがある。
もともと大して食が太いわけでもないくせに、今この瞬間の「空腹」という欲望と経済的な「お得感」が、普段それほど食べられない自分という事実を上書きしてしまうのである。
そんな失敗をして、次回は気をつけよう。と思ったりするのだが、また別の機会に定食屋で「ごはん大盛りも無料ですよ」と言われたら、また「お願いします」なんて言ってしまうのである。一体何を学んでいるのだろうか。学習能力があるのだろうか、と自らを卑下する。
そんな間抜けが5回も10回も繰り返されたとき、ようやく体に学習が浸み込んでくるのである。
一度言って、はいわかりました。
....とは行かない事って結構多い。
習慣を作る。とはそういうことである。
自分が今までとってきた悪しきやり方を、正しいと思われる姿に、時間をかけて、戻す行為である。
悪しきやり方でありながら続けて来たのには、やはりなんらかの理由がある。
何十年も生きてきた中でできたやり方なのだから。わかっていても、すぐに直せるものでも無かったりする。
何度も、何度でも、繰り返し、繰り返し頭に、体に伝えて教え込んでいくしかない。時間はかかる。でも、確実に正しくなっていくはずである。□